東京大学医学部公衆衛生学教室のページをご覧いただきありがとうございます。教室主任の東 尚弘です。

「社会医学を次のステージへ」などという漠然としたフレーズをトップに掲げ、「不易流行」の書き下しを添えたので、それだけではよくわからないかもしれませんが、教室の活動に関する基本方針は真面目に以下の3つと考えています

① 社会への貢献を常に意識する。

② わが国の社会、医療、政策立案・遂行の現場で起きていることを中心に考える。

③ 既成の概念を疑い、自由に議論する。

これらは研究・教育・事業のすべてに共通して言えます。

そもそも学問の共通の目標は「真実の探求」ですが、公衆衛生学は社会を相手にする実学です。社会の課題を解決することが真実の探求と同様あるいはそれ以上に重要です。そのため、社会貢献をまず第一にあげました。

また、社会の課題を解決するためには、現実・現場を知らないといけません。たとえ最初は知らなかったとしても、データを集めたり関係者の話を聞いたりして、学ぶことが大事です。医学教育の基礎を築いたと言われるウイリアム・オスラー博士は「Listen to your patient. He is telling you the diagnosis.」という言葉を残していますが、これは何も臨床医学だけに当てはまる言葉ではありません。社会の課題を解決する時は、関係者の話を聞くことこそが解決にむけた出発点です。社会医学が集団を扱う学問であることから、人間から遠いところにいてデータだけを扱うような印象を持たれることがあますが、そんなことは決してありません。

そして、人の話を聞く時も、データを解析する時も、思い込みを排し虚心坦懐に現実を直視するということが求められます。また、概念・セオリーは、疑うことで理解も深まり、疑問を乗り越えることで強固になります。そのためには自由な議論の場が必要です。世の中に変革をもたらし発展をもたらすのは「若者、バカ者、よそ者」といわれます。それは、この3者が自由な議論を体現するものだからです。

でも、まあ、この3者があつまると、世の中が動く前に普通はその場がカオスになると思います。そこをうまく変革・発展の方向にエネルギーを向けるのは、少なくとも当教室においては、教室主任の腕の見せ所ですから覚悟してます。

社会の視点から、医療・健康をテーマにより良い未来を目指した研究・活動をしたいと思う方は、お問い合わせフォームから、是非ご一報ください。